責任をどこまで求めるか・擦り付けるのか

ウィニー無罪 それでも大切な技術者の良心 : 社説・コラム : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

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 ウィニーも他の技術と同じく二面性がある。情報交換に役立つと同時に違法コピーの流通にも悪用できるため、両判決とも「価値中立のソフト」と認めている。

 だが、特徴である「匿名性」ゆえに、悪用されると違法な利用者にたどり着くのが難しい。このため違法コピー流通や、規制強化が求められている児童ポルノの交換にも依然、使われている。

 1審判決も、匿名性が悪用を促すと指摘している。元助手は悪用を控えるよう呼びかけたこともあるが、これほど悪用されると予想はしなかったのだろうか。

 ウィニーを狙ったウイルスソフトも蔓延(まんえん)している。感染したパソコンから、公的情報や個人情報が漏れる事件もなくならない。

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Winny の作者に対して「無罪判決」が出た。よみうり新聞は納得いかないらしく、それでも作者に責任を求める社説を出した。

ネット上で、この社説に記者名がないという意見があるようですけど、一般的に社説には執筆者名はありません。執筆社名はあります。要するにそれが社説。その会社がどう考えているか、立場や意見を表しているものということです。それだけ、精査されて出てくるべきものですし、多くの見方が総合されて出てくるはずのもの。読売新聞社としては、公的な判決なんて何のその。金子氏の社会的抹殺を希望しているということです。何かうらみでもあるのでしょうかね。逆に言えば、一面的な視点からしか見てないということにもなります。新聞社の選択可能性に左右されますね。

『両判決とも「価値中立のソフト」と認めている』というように、二面性の部分を認めつつ、ウィルスが発生したり、児童ポルノ流通に悪用されたりしている面を捉え、『社会的責任』という名の万能包丁を取り出しています。

では、ウィニーは何で動いているのでしょうか。そう、Windowsです。Windowsさえなかったら、『公的情報や個人情報が漏れる事件もなく』、『ウィニーを狙ったウイルスソフトも蔓延(まんえん)』もなかったのではないでしょうか。そういう意見がないのは、ユーザに責任があるからでしょう。どんな道具でも多くの場合はユーザの責任が重視されます。

製造物責任法というものが日本にはありますが、それはユーザが意図しない部分での欠陥についての責任です。検察が開発をとめさせた結果として、ユーザの意図しない部分の欠陥(ウィルスに悪用される部分)をも修復できなくなったという事実もあります。そうした意味でも、電化製品や車では一般的になっている「リコール」制度を、ソフトウェアの世界でどう動かすのかが、今後の課題でしょう。そうした意味でもオープンソースの強みがわかりますが、全てがオープンソースの世界ではないです。

日本の場合、特に誰かに責任を擦り付けたがりますよね。それが顕著に現れているのが読売新聞社ということですね。

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